佐々木正美先生

佐々木正美先生「不登校の子の胸のうちと親ができる18のこと」

思春期の問題の一つに、不登校があります。

長年臨床の場で、たくさんの子どもたちをみてきた児童精神科医の佐々木正美先生は

不登校といっても

・学校生活に何らかのつまずきがあってきらいになった子

・本人自身に問題がある(非行・無気力など)子

・家庭のなかに原因があって学校に通えなくなった子

など、いろいろなタイプの子がいますと教えてくださります。

 

また

佐々木正美先生
佐々木正美先生
不登校になったきっかけは、さまざまですが、どの子にも共通しているのは、「まわりとのコミュニケーションができなくなった」ということです。

ともおっしゃいます。

 

この記事では

・まわりとのコミュニケーションができなくなった不登校の子たちの胸のうち

・またそんな子たちに親ができる18のこと

・不登校の子がよくなってきている姿とはどんなものか

などを、佐々木正美先生の著書『抱きしめよう、わが子のぜんぶ 思春期に向けていちばん大切なこと』を引用しながら、お伝えしたいと思います。

 

佐々木正美先生とはどんな人?正美先生のプロフィール

そもそも佐々木正美先生のことをまだご存知でない方もいるかもしれません。

正美先生のプロフィールを簡単にご紹介させていただきますね。

1935(昭和10)年生まれ。

新潟大学医学部卒業後、70年、ブリティッシュ・コロンビア大学医学部児童精神科に留学。

帰国後、国立秩父学園・東京大学精神科・東京女子医科大学小児科勤務を経て、77年小児療育相談センター(横浜市)所長に就任。

97年、川崎医療福祉大学(倉敷市)教授に就任し、以後2014年から17年まで、特任教授・客員教授となる。ノースカロライナ大学精神科でTEACCH(自閉症の療育支援プログラム)を学んだことをきっかけにその共同研究に携わり、日本での普及に務める。

子育て・療育の講演やセミナー、保育園・幼稚園の勉強会などを全国各地で定期的・継続的に重ねる。

2017年6月逝去。

主な著書に、『子どもへのまなざし(三部作))』『はじまりは愛着から』(共に福音館書店)、『子どもの心の育て方』(河出書房新社)、『「育てにくい子」と感じた時に読む本』(主婦の友社)、『出会いでつむぐ私の仕事』『出会いでつむぐ私の半生』(共にぶどうの木)、『子育てでいちばん大切なこと』『佐々木正美の子育て百科』(共に大和書房)他多数。

実際にお会いしたことはありませんが、私は佐々木正美先生の子育ての教えや考え方に何度も救っていただいています。

私にとって心の恩師が佐々木正美先生です。

佐々木正美先生「不登校の子の胸のうちを知ってください」

【学校に行けなくなる子の胸のうち】

私は、神奈川県の不登校の子どもへの対策研究協議会の座長をしていて、たくさんの不登校児とその家族の人たちの話を聞いてきました。

彼らはみな

・人間関係が苦手だ

・人と交わりたくない

・すべての人とのコミュニケーションに絶望した

ということをいいます。

また、不登校をしてひきこもっている子どものなかには、自分の考えや気持ちを、自由に表現することができない子が少なくありません。

人との関係が苦痛で、恐れやストレスを感じるのです。

そのなかには、親との関係も含まれています。

私が知るなかで、親とのコミュニケーションがうまくいっているのに不登校になっている子はいません。

コミュニケーションというのは、単なる会話ではなく、心と心を通わせあうことです。

不登校の子たちは、人を信じる力や自尊感情、自己肯定感といったものがかけています。

自分に自信がもてないし、人といっしょにいてやすらげないのです。

本来であれば、人といきいきと交わる感性は、幼児期に自分の親との間でつけていくことで育っていくものです。

小さいときからお父さんお母さんが十分に相手をしてやり、そばにいてやることで安心し、親を信頼することができると、子どもは人のことも信頼できるようになります。

それがコミュニケーション能力になっていくのです。

親を信頼することができると子どもは人のことも信頼できるようになる。

このことをよく覚えていてください。

 

【友だちに気をつかうから疲れてしまう】

不登校の子どもたちに話を聞いていると、まったく学校に行けなくなる前に、多くの子が保健室登校をしていました。

クラスのなかには入っていけないけれど、保健室だったらいられるという子が多くいます。

彼らは、クラスメートといっしょにいることは苦痛だけれども、養護の先生とだったらやすらげる。

保健室がその子にとっての、やすらぎ、くつろぎの場になっているのですね。

この年代の子どもにとって、友だちは何よりも大切な存在なはずです。

いつもいっしょにいたいと思い、毎日学校で会っているのに、家に帰ってからもメールや電話で話しているぐらい、かけがえのないものです。

親や先生にいえないことでも、友だちには話せる。

それが10代にとっての友だちです。

友だちがすべて、といってもいいかもしれません。

みなさんも、自分の子どもの頃を思い出してみるとわかるのではないでしょうか。

それなのに、友だちといっしょにいられない、交わるのが苦痛だと思ってしまう子がいます。

彼らは友だちに対して、ものすごく気をつかいながら接しています。

そして、本当は友だちに気に入られたいというのが本音です。

どうしたら仲間に気に入られるかということをいつも考えて、自分の好きなことよりも、友だちに気に入られることに気をつかいすぎるから疲れてしまう。

そんなことの連続で、そのうちに不登校になってしまうのです。

不登校のすべてがそうだとはいいませんが、代表的なパターンです。

同年代の友だちは苦手だけれども、年の離れた養護の先生にだったら心を許せる。

それは、余計な気を使わなくてもすむからです。

不登校、ひきこもりになってしまう子たちは、いつも相手の顔を見ながら、自分を殺してビクビグしている。

あるいは、みんなに取り入るために、笑いをとったり、モノを提供したりする。

そうやってサービスしすぎて、あるとき限界がきてしまう。

だけど、養護の先生は、そんな努力をしなくても自分のことを受け入れてくれる、保護してくれる。

だから彼らにとっては、そこが「やすらぎ」の場所になるのですね。

保健室がやすらぎの場になっている子は、家庭でゆったりやすらげない子が多いです。

不登校になって家にずっといる子でも、家庭がやすらぎの場でないことが多くて、自分の部屋にとじこもってしまいます。

こうやって考えてみると、不登校やひきこもりの子たちは、親との関係に安心できていないということがわかります。

小さいころから親に自由にものがいえずに育った子は、やがて自分の意思を出せなくなります。

いっても無駄だとあきらめてしまうからです。

そうやってずっと親に受けとめてもらえなかったから、親のことを心の底から信頼できずにいるのです。

不登校の子は家庭でやすらげず苦しんでいます。

親の前でゆったりとくつろげる雰囲気をつくってください。

出典元:抱きしめよう、わが子のぜんぶ 思春期に向けて、いちばんたいせつなこと(大和出版・2006)/ 佐々木正美 著 / P.23〜28を引用

 

佐々木正美先生「不登校の荒れる子の心を健全にするために親ができることは」

【荒れる子の心を健全にするには】

人が大人になるのには、依存も反抗も必要なことです。

ですから、親に対してどんな言葉を投げつけようが、先生に対してどんな態度をとろうが、あれこれいわないほうがいいのです。

子どもはそれが必要だからしているのです。

今まで歩んできた人生のなかの補えるところで、不足分を補おうとしているのです。

親にしてもらえなかったことがたくさんあって、それを反抗というかたちで腹いせしているのかもしれません。

親としては「私のことを信じるために、この子には今こうすることが必要なんだ」と見守ってあげることが大切です。

親を信じているから安心して反抗できる、あるいは信じたいから反抗しているといってもいいでしょう。

リストカットや接触障害、不登校などは子どもの心が荒れている証拠です。

愛情を欲しているサインです。

そこから立ち直らせるためには叩いたり叱ったりしてやめさせるのではなく、抱きしめることです。

しっかり保護してあげればいいのです。

どんなに激しく反抗していても、問題行動をとって“荒れ”ていたとしても、親が子どもをしっかり受けとめ、子どもが望んでいることを満たしてあげれば、必ず立ち直れます。

「抱きしめる」というのは、体をただ抱きしめるだけではありません。

あなたのすべてをまるごと受けとめるよ、と言う意思表示でもあるのです。

話をゆっくり聞いてあげる。

思春期の子の心を抱きしめるうえでいちばん大切なことは、この「話を聞く」ということです。

家事や仕事で忙しかったとしても、子どもが話かけてきたら、手を休めて、子どもの目を見て話を聞いてあげてください。

興味をもってうなずいたり、「すごいね!」など感嘆したりしながら聞いてあげると、「お父さん、お母さんは自分の話をよく聞いてくれるからうれしい」と思い、さらに積極的に自分の話をするようになります。

よく話をするようになったら、良い経過をたどっていると考えてよいでしょう。

ポイントは、息ながく、根気よくです。

「育てる」ということは、子どもに限らず草花や農作物でも同じことでしょう。

芸術家や技術者がすぐれた作品や製品をつくるのと同じように、日々根気よく、手塩にかけることです。

不安定な思春期だからこそ

「あなたのことをまるごと受けとめるよ」

という心と体を抱きしめることが大切なのです。

出典元:抱きしめよう、わが子のぜんぶ 思春期に向けて、いちばんたいせつなこと(大和出版・2006)/ 佐々木正美 著 / P.45〜48を引用

 

佐々木正美先生「不登校の子に対する態度は息ながく、根気よくです」

不登校の子を持つ親の心がまえをもう一度まとめたいと思います。

・親に対してどんな言葉を投げつけようが、先生に対してどんな態度をとろうが、あれこれいわないほうがいい。

・親としては「私のことを信じるために、この子には今こうすることが必要なんだ」と見守ってあげる。

・親を信じているから安心して反抗できる、あるいは信じたいから反抗していると知る。

・リストカットや接触障害、不登校などは子どもの心が荒れている証拠、愛情を欲しているサインと知る。

・叩いたり叱ったりしてやめさせない。

・抱きしめる。

・しっかり保護する。

・どんなに激しく反抗していても、問題行動をとって“荒れ”ていたとしても、親が子どもをしっかり受けとめ、子どもが望んでいることを満たしてあげれば、必ず立ち直れると知る。

・「抱きしめる」ことで、あなたのすべてをまるごと受けとめるよ、と言う意思表示をする。

・話をゆっくり聞いてあげる。

・思春期の子の心を抱きしめるうえでいちばん大切なことは、「話を聞く」ことと知る。

・家事や仕事で忙しかったとしても、子どもが話かけてきたら、手を休めて、子どもの目を見て話を聞いてあげる。

・興味をもってうなずいたり、「すごいね!」など感嘆したりしながら聞いてあげる。

・「お父さん、お母さんは自分の話をよく聞いてくれるからうれしい」と思い、さらに積極的に自分の話をするようになることを知る。

・よく話をするようになったら、良い経過をたどっていると考えてよいでしょう。

・ひたすら、息ながく、根気よく続ける。

・芸術家や技術者がすぐれた作品や製品をつくるのと同じように、日々根気よく、手塩にかける。

・不安定な思春期だからこそ「あなたのことをまるごと受けとめるよ」という心と体を抱きしめることが大切と知る。

親ができることが本当にたくさんあることがわかり、勇気付けられますね。

 

そして

よく話をするようになったら、良い経過をたどっていると考えてよい

と希望を持たせてもらいました。

 

親は、わが子がよく話をしてくれるまで、ひたすら息ながく、根気よく続ければいいんですね。

 

よく話をするようになったーー

このことは、親を信じたいと思っていたのに信じられずにきた、子どもの心を少しずつときほぐし、少しずつ親を信じられるようになっているから、見られる姿かもしれませんね。

 

きっとよくなる。

そう信じてくださいね。

 

あなたのことをいつも応援していますね。
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こんにちは。
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私は長年ネガティブな自分に思い悩み
数回に及ぶうつ病や自殺未遂
離婚危機も経験し
どん底の人生を生きてきました。


そして自己嫌悪が過去最高になったとき


このままじゃ嫌だ!!
変わりたい!!


とがむしゃらに自分を変えていった結果
別人のような性格に
生まれ変わることができました。



前向きに生きられるようになった私は今
過去の私のように苦しんでいる人を救いたいと
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19歳からの39歳までの間私は
うつ病・引きこもり
自殺未遂・離婚危機
不妊治療・子育てなどをはじめ
様々な苦しみを通して


変わりたいのに
変わる方法がわからない…


大嫌いな自分を
どうしていいかわからない…


そんなもどかしい時間を
20年も過ごしました。


その経験があったから


ちょっとした知識を知っているだけで
こんなにも生きやすくなるんだ。


知らないがゆえに
遠回りしたり
効果がないことをしてしまったり
無駄な時間を過ごしてしまうんだ。


知っているか
知らないか



で人生が大きく変わっていくんだ。


それほど


知識の差は大きいものなんだ。


と学ぶことができました。


自分が知らなかったゆえに
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